日本は平和国家として義務を果たせるエネルギー政策をとるべきだ


地球の資源や食料、水、そして現代医療の恩恵は人類みんなで分け合うことが必要です。金の力や軍事力で奪い合う対象になってはいけません 化石燃料もトウモロコシや大豆もエイズ薬品も独占すべきではありません。先進国日本にはそれなりの責任があります。 海洋で漁業資源、化石資源を官民一緒になって奪い合うようなことは日本は平和国家として避けるべきです。


日本の周辺で天然ガス資源を周辺諸国との協調なしに抜き取ろうとする国があります。漁業資源を乱獲し、他国の領海で問題を起こす国です。
また、薬品の特許を武器に利益だけでなく科学技術の恩恵を独占しようとする国があります。 日本はそんな国になってはいけません。
平和主義とは軍事行動を起こさない国と言う意味だけではないはずです。


平和主義は軍事行動の有無の問題でもなく、核兵器の所持の問題でもなく、他国との協調が一番問われる問題なのです。
世界的大国と言われるようになった国が、技術力を用いず、軍事力と経済力だけで問題を解決しようとする例が、東シナ海南シナ海、モンゴル草原、チベット高原で見られることは、他山の石なのです。


南シナ海ではフィリピンの目の前の島を中国が占領し資源開発用のやぐらを建設している。南モンゴルではレアアースの採掘現場である草原から遊牧民が暴力で追い払われている。 資源争奪戦は現実の問題なのです。
アフリカの産油国である南スーダンという低所得国ではガソリン等の燃料高のため、住民の足が奪われ、人の移動どころか、飲料水や食料移送ですらままななりません。国の中をパイプラインが通っているにも拘らずです。住民の一部は油泥棒になり、パイプラインから原油を抜き取り、自分たちで危険なガソリン精製をして、生活物資の移動を可能にしています。当然政府や企業の警官やガードマンによる取り締まりも行われており、その取り締まりは銃弾が飛び交う正真正銘の修羅場です。 先進国の援助で作ったパイプラインと石油精製基地は外資(中国)企業が自国の人間だけで経営し、住民に恩恵をもたらしていないのです。同じようなことはベナン、ナイジェリアでも起きています。


世界のエネルギー確保の競争が今現在、相当な緊張を持って行われていることを忘れてはいけません。
エネルギー源の多角化が可能な技術立国日本は再生可能エネルギーへの移行を急ぐべきです。 しかし、原子力を今捨ててしまうことは周辺諸国への強大な圧力となります。東シナ海南シナ海の緊張は経済大国二国が資源を挟んで睨み合っているという構造も一要因となっているということも理解する必要があります。

中国を始めとする発展途上国に対する原子力発電技術の輸出は世界平和を念頭に置いた安全保障上の問題でもあるのです。

もう一度言います。原子力は脱却すべきです。再生エネルギーの技術を高度化するとともに、多角的なエネルギーも確保しなければなりません。日本が無思慮に即時原子力を放棄し、経済力に物を言わせて近隣の天然ガス資源を買いあさることは先進国のエゴなのです。日本のような先進技術を持つ国が85%以上のエネルギーを化石燃料に頼ろうとすることは、地域紛争をもたらすかもしれない資源獲得競争に必要以上に加担することなのです。途上国が食料と水、現代医療の恩恵を受けるために、先進国が負担すべきものを負担するのは義務なのです。天然資源を経済力で買い漁り、結果として途上国が燃料と食料を自分で調達できない、生産できないという事態は避けるべきです。


日本が資源外交を行えば現地の産業を育成することができます。キリバスと言う国がある。温暖化による海水面の上昇のため、全国民の移住を始めている。日本はキリバスの国民に熟練工養成のための職業訓練を行うことで助けようとしています。こういう平和的な外交ができる技術立国が日本の国の姿であるべきです。日本の産業の空洞化は国際的損失です。


私は市場原理を政策的に用いて脱原発を図るべきだと思っています。時間がかかりすぎると反対する向きもあるかもしれませんが、一つの技術が突破口を開くことは過去に何度も人類が経験したことです。そういったものが市場に認められれば、いずれ原発は不要になります。 その間、当分の間は原発も選択肢の一つとして、果たすべき役目を果たすべきです。廃炉のための費用の捻出も原発で行うべきです。他のエネルギー源や税金に頼るべきではありません。運転可能な原発は日本の資産です。その資産価値をマイナスにして日本経済を疲弊させるのは間違いです。
途上国への支援ができる日本を維持すべきです。世界に必要な日本の影響力を維持すべきです。先進国日本の存在は世界に必要です。


日本が非効率なエネルギーを選択し、国際的競争力を危険にさらすことは国家の損失であるばかりでなく、国際的な損失です。効率の良いエネルギーの確保が市場原理で行われるべきです。そうすれば日本は途上国を支援しつつ発展していくことができます。日本は先進国であることを自ら捨ててはいけません。