尖閣問題を始めとする東シナ海、南シナ海における中国の領海戦略とは何か



ニューズウィーク誌の記事
漁船を悪用する中国の狡猾 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト


上記の記事の中で秀逸な部分を抜き出したのが下記


中国政府がこうした漁船の行動に直接指示を出しているのかは定か­ではない。恐らく意図的な指示が出ていることもあれば、偶然の衝­突事故などに乗じるケースもあるのだろう。明らかなのは、中国政­府が漁船に紛争海域での操業を奨励しており、問題が生じれば政府­が乗り出していく、ということだ。

中国は領有権をめぐり対立する周辺国を真正面から挑発し、反応を­引き出すだけだ。紛争海域に漁船を送り、相手国の海軍や沿岸警備­隊との衝突を引き起こし、相手の主張を撤回させる。また漁民が起­こした問題を逆手に取る。いずれにしろ、強大な軍事力があれば、­さまざまな選択肢が生まれる。


上記のニューズウィーク誌の記事と下記の資料を是非とも読んで欲しい。

中国と周辺国家の海上国境問題 李国強 著
http://src-h.slav.hokudai.ac.jp/publictn/japan_border_review/no1/03_li_guoqiang.pdf


今更であるが、中国は共産主義国である。
近代化がどれだけ進んでも、経済的成功を収めても、たとえその経済的成功が自由主義経済の模倣だとしても、中国が共産主義国である事に代わりはないのだ。
しかも、マルクスレーニン主義の都合のよいところだけを取り入れている「共産党主義国家」である。
なぜ、共産主義ではなく共産党主義と呼ぶかと言うと、マルクスエンゲルスが「労働者の独裁」と主張したところを労働者を代表する「共産党の独裁」と言い変えたマルクスレーニン毛沢東主義国だからである。
そのため、共産主義で無くなるはずの階級がなくならず、それどころか共産党主席を筆頭に巨大なヒエラルキーを構成する絶対階級国家となっている。それが中華人民共和国なのである。

かれらの「共産党主義」は絶えざる階級闘争により、重商主義ブルジョア階級、地主階級、プチブルジョア知識人、反動主義分子を「殲滅」し、輝かしい勝利を収めて来たのである。
中国共産党の場合は、「文字通り」その闘争対象になる階級の構成員を完全死滅させることによって階級闘争を完遂してきたと言える。
その犠牲者は3千万人以上とも7千万人を超えるとも言われている。

世界を労働者、農民というプロレタリアートが支配する理想社会を作るために、彼らの「代弁者」であり「代表」であり、「具現者」である「共産党」が世界を解放するように運命づけられているというのが、彼らの思想であり、目的なのである。

中国共産党が指導する中国は人民を「解放」しようとするのは自然な成り行きである。地域の平和は「解放」の偉業より優先度は低いのは理の当然であろう。
だからこそ、共産党主義中国にとっての「争う余地のない領土・領海」が存在するのであり、それが「核心的利益」であるのは当然なのである。
中国はその点に関し、嘘をついている訳ではない。誠に正直に行動しているのだ。
世間が勝手に、中国が国際常識を共産主義の目的の上位に置いて、誤解しているだけである。

世界は中国共産党の歴史と実体を客観的に評価すべきである

中国にとっての核心的利益とは「解放」のための利益である
中共階級闘争を終えても世界共産化と言う名の「解放」は止めない
中国の「争う余地のない領土・領海」は世界解放(征服)まで増え続ける


したがって、共産主義中国は平和主義ではありえない
だからこそ、まちがえても、人命より階級闘争共産主義体制保持を優先する施策に手を貸すべきではない。

私は素直に中国の一般大衆が共産党の思想・体制から脱却できる日を待ち望むのみである。