八郎冠者為朝は、重季、山雄を喪いしより、気分も晴れず、行く末の処し方などを思う日が続いていた。 そんなある春の夜、為朝は寝覚めに夢を見た。 ひとりのおなごが、白綾の袿(うちぎ)に同じ色の袴を穿き、紅の一枝の花を頭髪にさして、枕元に立って 「近…
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