恥ずかしい日本企業の低生産性:スゥェーデンの労働時間

過去のFBへの投稿から

【恥ずかしい日本企業の低生産性:過労死事件】
過労死事件は、あまりにも日本的で恥ずかしいと思う。
企業だけでなく日本社会の問題だ。問題の責任を個人に押し付けるだけでなく、また会社に押し付けるだけでもなく、日本社会全体で考えるべきだろう。
参考に知っていることをメモしてみる。カルチャーショックを受けた事例だ。

            1. +

【スゥェーデンの労働時間】過去の記憶とメモから
1週間の全労働者の平均労働時間(実時間)は36.5時間(2011年)。
それに対し、法定労働時間は、「原則として1週40時間以内」である。
つまり、企業や公共部門では法定労働時間より労働時間を少なく設定している。ほぼ1日7時間労働と考えて良いし、それが守られている。
ある仕事で、スェーデンの会社に落ち度があり、納期厳守のため残業を要求したところ、スウェーデンの法規で残業は不可能なので、人を増やして対応すると説明があった。その時調べたMEMOと記憶がこれ。

《残業や時間外労働》
労働時間を増加する特段の必要性がある場合には、一般時間外労働(allmän övertid)として、4週間で48時間(カレンダー月で50時間)以内、カレンダー年で200時間以内でこれを行わせることが可能とされている。また、特別の事情があり別の方法で対応できない場合には、追加的時間外労働(extra övertid)として、一般時間外労働に加えてカレンダー年で最大150時間以内の追加的時間外労働を行わせることが可能とされている。ただし、一般時間外労働及び追加的時間外労働は4週間で48時間(カレンダー月で50時間)を超えてはならない。
 自然災害や事故発生時等で事業への障害や身体・財政への差し迫った危機が発生している場合には、緊急時間外労働(nödfallsövertid)を行わせることが可能である。

 上記全ての場合において、時間外労働を含む労働時間の合計について、7日間の期間ごとに平均48時間を超えてはならない。

以上のまとめ
______________
+平たく言うと、通常時の残業要請は1日1時間プラス土日の休日のうち1日(8時間)しか出来ない!つまり7日で13時間、4週目(仮に1月として考えた場合)には13時間x4W=52時間となるので、既定の50時間にするため2時間どこかで残業時間を減らす必要がある。これを4か月続けると200時間となり年間の時間外労働の限界となる。
しかも、時間外労働とは法定労働時間外のことではなく、各事業所で決めている所定労働時間外労働のことだ。
_______________

違反に対しては監督者及び経営者に懲役刑が課せられる。
(どなたか、細かいことについてのメモが抜けているので、詳細を知っていたら教えてください)記憶だと懲役6か月以上だった。

米国のエリート(マネージャークラス)は週100時間以上働く猛者も多いしそれはそれで合法的だが、下っ端が法を無視して働くのが美徳とされているのは日本と南鮮ぐらいだろう。
国際競争を無法な条件でやることを正当化するのは、ダンピングを正当化していることになる。労働力ダンピングだ。卑怯な真似を日本人がしてはいけないと思う。

スウェーデンと言えば、H&M, Spotify, IKEA, エリクソンテトラパックボルボ・エアロ、GENSE, アトラスコプコ、WeSC、ロクステックといった企業があり、彼らもこの労働条件で世界と戦っているのだ。

国際競争に耐える必要のないドメスティックな産業が一番ブラックなような気がする。広告、飲食、建設等だ。