軍事力なき外交は、楽器なき音楽のようなものだ

「軍事力なき外交は、楽器なき音楽のようなものだ」


自己の軍事力が、「相手方の軍事目標達成を頓挫させるだけの質と量を備えている」と相手方に分からせることができれば、相手は武力行使は損なので、武力行使以外の方法を使おうと考えるだろう。それが抑止力だ。


それとは反対に、武力を持っていないか、持っていても使う気を見せなかったり、ためらう様子を示したとすれば、外交交渉は「対話と協調」どころか、相手の言い分をそのまま認めるだけでなく、要らざる条件(娘を差し出すような事)を当方から付加えるような「迎合と追従」、「卑下と貢物」の産物となってしまう。 なぜなら、交渉相手は、いつでも武力に訴えることが出来るし、その状態で当方を脅迫することが可能なので、その優位性を捨てたり妥協したりする必要がないからだ。


小説や物語の理想社会ではともかくも、現実世界では「軍事は平和を担保」する。つまり、自国の軍事力こそが相手に武力を使わせない保証となる。
だから、用心棒として七人の侍を雇うのは、村の平和を守るために絶対必要な現実的手段という訳だ。