この論説こそがウソ

【この論説こそがウソ】

「日本の借金1000兆円」はやっぱりウソでした~それどころか…(髙橋 洋一) | マネー現代 | 講談社(1/6)

バランスシートで見るという観点には賛成。その論理自体は問題はない。
財務省が宣伝しているほどには借金はないというのは良い。
しかし一つ重大な見落としがあるし、それで安心もしていられない。

会社資産でもおなじだが、買手が付かない資産や既に抵当権の対象になっている資産は無価値ということだ。
それに加えて普通の会社資産と違って、国の資産には
「負債を減らすために売却できる資産」つまり、
「負債と相殺できる資産」
「現金化や担保化して借金を減らすことができる価値ある財産」
が殆どないことだ。

たとえば、
年金積立金の運用寄託金は、将来の年金給付のために積み立てられているもので、赤字国債建設国債の返済のために取り崩せない。
→年金制度を廃止できますか?
→年金の穴埋めに充当している800兆円は無視していいの?

道路・堤防等の公共用財産に買手はつかない。
→堤防を買って儲かる人がいますか?
→有料道路だらけで経済成り立ちますか?

政府短期証券・財政融資資金貸付金については借金のための資産であって、国債の償還をすること自体ナンセンス。
→ほかの財源で支払うの?
自転車操業で借金を増やしますか?

まだありますが、こちらを参考にしてください。
政府の負債と資産 : 財務省

安倍政権を継続して欲しいので不人気な政策は止めて欲しい。
しかし、論理を無視した議論で国策を誤るのは馬鹿げている。
マイナンバーで税収が増えるので、消費税を慌てて上げる必要があるとは思えないが、財政再建が2016年度中にできるなどとは、チャンチャラおかしい。
似非エコノミストよりは、まだ財務省の言い分を私は信じる。