ロシア軍機撃墜はNATOの反アサド武装勢力をあからさまに叩くことは許さないというメッセージだ。

ロシア軍機撃墜はNATOの反アサド武装勢力をあからさまに叩くことは許さないというメッセージだ。

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ロシア軍機が撃ち落とされた場所でロシア軍は反政府軍(反アサド武装勢力)を攻撃していたのだろう。だからこそ、反政府軍(反アサド武装勢力)は、脱出したパイロットを射殺したに違いない。

トルコ国境沿いに展開する反政府軍(反アサド武装勢力)はトルコ軍を後ろ盾に補給を受けている。ISを攻撃する名目で自分たちを攻撃し続けるロシア軍に対し、トルコ軍が目を瞑ってばかりでは我慢できないだろうし、トルコを敵として行動することも迫られてしまう。トルコ軍としてもNATO軍としても面目が立たないだけでなく、今までの味方がトルコ国内の反政府勢力と結びつきかねない。現在対ISで友好関係を保っているクルド労働党などと結びついて過激化してしまっては迷惑この上ないことになる。

トルコ国境を侵犯したとされる今回の撃墜事件はこのような状況下で行われたことだ。

オバマの外交音痴をカバーするためにNATOに属する国々の官軍テクノクラートの間では同意が出来ていたと思われる。
ロシアがISだけを選択的に攻撃し続けることはアサド政権を失い、ロシアの国益を失うことに他ならない。ISもろとも反アサド勢力を弱体化させる目的だけが国益に沿うことなのだ。

米国がサウジやカタール等のISを陰で支える勢力に遠慮し、ISの武装グループだけを選択的に攻撃し、ISとその同盟者達が原油を精製基地まで輸送し、売り捌くのを事実上黙認してきた。同盟者に対する配慮だ。その補給線をロシアが叩くことまでは歓迎しても、反アサド武装勢力をあからさまに叩くことは許さないというメッセージだ。