マスコミの中立性確保について

マスコミの中立性確保について、

いまだに中共は、「日本の軍国主義」と「日本国民」という言葉を使い分けることで日本の世論の分断を図ろうとしているようだ。構図は極めて単純で古臭い手だが、日本のマスコミが中共プロパガンダ機関化する愚を犯しているため、効果は絶大である。

そもそも、マスコミの政治的中立のための立脚点が問題である。
マスコミは多様な意見を取り上げるべきである。政府側の動きを伝えたうえで、反対派の運動を伝えるということで、報道の中立性を保てると考えるなら、それは間違いである。

できれば多様な意見を視点を変えて取り上げるのが良いに決まっているが、マスコミにおける中立的とは、最低でも ①施政者の施策の意図、②国民の利益の視点、③国民の不利益の視点の3つを伝えなければならない。

現在多くのマスコミ(主にTV)が行っているように、①②の二つを政府側の意見として紹介し、後者③のみを反対派の意見として取り上げるだけでは、「政府対国民の対立」という図式を演出することになってしまう。実際、そうとしか見えないのだ。

中共の宣伝が「日本の軍国主義」と「日本国民」を分けたうえで、『現に、日本の知識人たちは安倍首相の政策に抗議の声を上げている』と言っている。まさに「政府対国民の対立」という、その図式に沿ってしまうことになるのだ。言わずもがなのことだが、ここ「抗日戦争」の著者が語る日中関係、「中国はもはや1937年の...|レコードチャイナでは「日本の軍国主義」は「安倍首相の政策」に対応し、「日本国民」は「日本の知識人たち」に相当している。

「政府対国民の対立」の図式に陥らないようにする。
「主権者たる国民が国民と議論を戦わす」という民主主義的構図を常に意識して報道する。
これが、マスコミのとるべき「中立性の確保」だと思う。