チェルノブイリの幽霊 

一つの幽霊が日本にあらわれている、――チェルノブイリの幽霊が。日本のあらゆる団体と人間が、この幽霊にたいする根拠のない恐れをいだいている。チェルノブイリの幽霊が福島の幽霊に、日本の幽霊に代わろうとしている。

現在日本を恐怖に陥れている根拠のない福島の放射能と言う恐怖はチェルノブイリの幽霊が日本に再び現れ、無知に乗じて広げた幻想である。

放射線医学会で否定されたチェルノブイリの恐怖が日本で復活し、世界の知識の無い人々に根拠のない恐怖を煽っている。


今回の原発事故は日本に大きな代償をもたらした。故郷を離れ生活基盤から切り離された人々の中にはストレスによって命を奪われた方々が大勢いる。風評被害に泣く人も多い。今回の事故の責任を国と事業者が強く問われるのは当然である。
しかし、放射線の実被害と言う点で日本において誇張された事実が垂れ流され、無知が風評を広げているのに、それについて行政が対策を取らないのは納得できない。

福島における放射能汚染は上に述べた被害面から見て甚大ではあるが、チェルノブイリ事故と比較されるほど破滅的ではない。

これはチェルノブイリ事故の被害者数が誇大に伝わったままで、訂正された事実を行政が国民に充分に伝えていないせいである。以下にチェルノブイリ事故の虚実をお伝えしたいと思う。

<<参考:チェルノブイリ原発事故の実体と虚構>>

((実体調査による実数値))

UNSCEAR 原子放射線の影響に関する国連科学委員会

(United Nations Scientific Committee on the Effects of Atomic Radiation)

によるチェルノブイリ事故後25年のまとめ

(周辺住民に対する放射線の影響)

子供6000人以上に甲状腺がん発生が認められた。大変大きな数値である。その全てが例外なく高濃度に汚染されたミルクを飲用していた。その内、

甲状腺がんによる死者の実数。   15名

甲状腺がんは手当てが速ければ現在では助かる病であるし、当時も助けられたはずである。発見と手当てが遅れたのは気の毒だ。


(復旧作業員対する放射線の影響)

急性放射線障害者数 134名 その内

事故後1カ月内の死亡 28名

その後25年間の死亡 20名以下

急性放射線障害での死亡者数 最大で  計48名

放射線の影響でのチェルノブイリ全死亡例の合計 最大 63名



((参考:過去に予測された死者数))

チェルノブイリ 放射線の影響 次のWikiの記事より抜粋引用した。簡単に調べられるので見て欲しい。チェルノブイリ原子力発電所事故 - Wikipedia

1986年8月のウィーンでプレスとオブザーバーなしで行われたIAEA非公開会議で、ソ連側の事故処理責任者ヴァレリー・レガソフは、当時放射線医学の根拠とされていた­唯一のサンプル調査であった広島原爆での結果から、4万人が癌で死亡するという推計を発表した。しかし、広島での原爆から試算した理論上の数字に過ぎないとして会議では4­,000人と結論され、この数字がIAEAの公式見解となった。

2005年9月にウィーンのIAEA本部でチェルノブイリ・フォーラムの主催で開催された国際会議においても4,000人という数字が踏襲され公式発表された

WHOの国際がん研究機関 (IARC) は、ヨーロッパ諸国全体(40ヶ国)の住民も含めて、1万6,000件と推計した。

欧州緑の党による要請を受けたTORCH report は過剰癌死亡数を約3万から6万件と推定した。

環境団体グリーンピース9万3,000件と推計し、さらに将来的に追加で14万件が加算されると予測した。

ロシア医科学アカデミーでは、21万2,000件という値を推計していた。

2007年にはロシアのAlexey V. Yablokovらが英語に限らずロシア語などのスラブ系の諸言語の文献をまとめた総説の中で1986年から2004年の間で98万5000件と推計した。

ウクライナチェルノブイリ連合(NGO)は、事故による死亡者数を約73万4,000件と見積もった。

京都大学原子炉実験所の今中哲二氏は、チェルノブイリ事故の被曝の影響による全世界の癌死者数の見積りとして2万件から6万件が妥当と見解を述べた。


予想数値については、旧ソ連に関係の深い国や団体ほど予想している数値が大きいということに注目すべきである。
現場の当事者であるソ連の科学者の予想数値が国際会議上で1/10に修正されたり(1/10にされて深刻な抗議をしなかったのはなぜだろうか?)、ソ連単独で予測値を発表する際には、他のどんな研究機関よりはるかに大きな数字が示されている事がわかる。
このような大きな隔たりのある数値を世界に提供したがゆえに、西側での反核運動のうねりが高まっていく中、ソ連は以前と変わらず自国の核開発を悠悠と継続していたのである。

また、このような数値予想と同時に並行して、食道閉鎖、肛門閉鎖、膠原病無脳症、小頭症、多指症、免疫不全症候群、神経繊維腫症やプロテウス症候群、はてはダウン症などの原発由来放射能との因果関係が無い疾患をチェルノブイリ事故と関連があるかのように録画・放送する等の宣伝工作活動が、西側の著名な環境団体を通じて行われていたことも覚えておくべきである。

同じ手管に陥ってはならない。まことしやかに伝えられている症状が事故前の事例発生確率と比べて、異常かどうかを科学的に、医学的に判断を下すべきである。

ちなみに、事故当時から放射性物質による民間被害が0であったことを踏まえたものとして、UNSCEAR のウォルフガング・ワイス(Wolfgang Weiss)委員長が福島においては幸いにも将来における被害はないと推定(ほぼ断定)している。表現としては「現在も今後も、健康被害が出るとは考えがたい」である。

No big Fukushima health impact seen: U.N. body chairman - Reuters

下記の動画も参考になる。

「福島とチェルノブイリ 〜虚構と真実〜 」(2012/4/20)


反核兵器・平和運動は全ての核兵器を廃止し、平和に資するものでなければならない。これらの団体が反原発を叫ぶ時、私たちは特定の国家や団体の思惑に乗っていないかどうかを確かめなくてはいけない。

そして、核の平和利用は日本をはじめ、独、スイス、スウェーデン、カナダその他の多くの国々で実現してきた現実的な手段である。「核=悪の論理」を振り回す人たちの中にプロパガンダで行動している人間がいる可能性があることを疑うべきである。


幽霊の正体見たり、枯れ尾花・・・チェルノブイリの幽霊は退治すべきだ。

頑張れニッポン、頑張れ福島!